卒業写真

卒業した高校の校舎が一部取り壊しになると聞いて、行って来ました。

いつ以来だろう?
懐かしい校門をくぐり、最後の1年を過ごした教室へ。
取り壊される本館の2階。
そこでは、生徒会執行部による喫茶店がオープン。
教室でコーヒーを飲みながら、17~8歳の自分たちを思い出す。

選択科目の授業で、10クラスに分かれている生徒が別の教室へと大移動していた。
ある日の授業中、先生の話を聞かずに、いつものように机に落書きしようとしてふと気がついた。
私が書いた落書きに、返事があることを。
確か私が書いたのはこんなことだ。

「サンデーサン(※)のチョコレートサンデーばり美味しい!」

(※広島とその近郊にあるファミレス)

返事はうろ覚えだけどこんなんだった。

「サンデーサンでバイトしてた時、時給が480円だった」

そして私はそれに返事を書いた。

「えっ!ホントに?安すぎるっ!」

この後、なんだかんだと机で文通していたような気がする。
誰が座ってるのか気になった私は、しばらくして選択の授業が終わった後、ダッシュで自分の教室に帰った。
そこに座っていたのは、5組のAくんだった(私は10組)
全く知らない男の子だったので、色んな人に「あの人どんな人?」と聞きまくりました(笑)
テニス部だったかバレー部だったか・・・(やっぱりうろ)
ちょっとカッコ良かったので、彼氏に内緒でその後も文通(笑)
まぁただそれだけなんだけど。
そういえば、卒業式の日にわざわざ5組まで行って、何か言葉を交わしたような気がする。楽しかったねぇーゆうて。
それが彼との最初で最後の会話かな。
今頃彼はどうしているだろう?

コーヒーを飲み終わって、教室の前の廊下からグラウンドを眺める。
ここからよく登下校する生徒たちを見ていた。
部活へ向かう人、学校をサボる人、友達と談笑する人たち。
友達に手を振り、上と下で大声で話し。

笑い声が聞こえてくる。
あれは私たちだ。
自転車に乗り、スカートの裾をヒラヒラとさせながら、友達と一緒に校門を出て行く。

「なんか・・・うちらがおるよね」
「うん。おるね」

高校生に戻った私たちは、本館から渡り廊下を渡って中庭に。

中館、売店、食堂、北館、体育館、部室、グラウンド、事務室・・・隅々まで歩いた。

何処にも、私たちがいた。
先輩たちや、先生や、後輩や・・・。

私たちが卒業した頃生まれた子たちが、当時と違う制服を着てすれ違う。
「こんにちは!」
彼らに挨拶されて、ハッと我に返る。
「こんにちは~」
自然と笑えたのは、ここが母校だからだろうか。
いつもの自分とはちょっと違うような気がした。

遠くで歌が聞こえる。卒業生がギターとピアノで演奏していた。

 人ごみに流されて 変わってゆく私を
 あなたは時々 遠くで叱って

 あの頃の生き方を あなたは忘れないで
 あなたは 私の青春そのもの

そうか。
違うような気がしたんじゃなくて、もうあの頃とは変わったんだよね。
小さな手を引く友人と、まだ独りの私。
この場所にある私たちの青春。
青春かぁ。うはは。

彼女らを家に送り届けて家路に着いた。
帰り道は断片的で、ぼんやり帰っていたことに気付く。

青春を過ごした校舎は、あの頃の私たちと一緒にアルバムの中に。

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